骨粗しょう症の検査と治療|リウマチ・骨粗鬆症・リハビリの医療法人藤田整形外科

  • 06-6872-2012

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骨粗しょう症の検査と治療

骨粗しょう症の検査と治療について

自覚症状の少ない骨粗しょう症と治療について

骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗しょう症」といいます。骨粗しょう症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた・くしゃみをしたなどのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。がんや脳卒中・心筋梗塞のように直接的に生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、介護が必要になってしまう人も少なくありません。
骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状がないことが多く、定期的に骨密度検査を受けるなど、日ごろから細やかなチェックが必要です。
骨粗しょう症治療の目的は、骨密度の低下を抑え骨折を防ぐことにあります。治療の中心は薬物治療になります。

DEXA全身骨密度測定装置『HORIZON』

骨密度を正確に測定することのできる装置

この装置により、老人が骨折しやすい腰椎・大腿骨頸部の骨密度を、正確に測定することが可能になりました。骨粗鬆症学会では、骨粗鬆症の診断治療にこのタイプの装置による測定が推奨されました。市民検診などで使用されている、足で測定する器械では正確な測定ができません。
当院では、DEXA全身骨密度測定装置で骨密度を測定し、治療法の選択をしています。正確な値が得られるため、薬剤の効果判定に役立っています。
最近、骨粗鬆症の治療薬が次々と開発されています。骨粗鬆症の程度により治療薬を選択する必要があり、正確な骨密度の測定を要するのです。

当院の骨粗しょう症の治療について

当院は、骨粗しょう症の治療に力を入れており、多くの患者様を治療しています

現在、骨粗しょう症の治療薬が次々に登場し、個々の患者様の症状や病気の進行度に応じて、選択肢が増えてきました。最近では、従来の治療薬よりも強力に骨密度増加が期待できる薬や、患者様が継続しやすいように、投与間隔や剤型(薬のかたち)に配慮したものもあります。
ただし、安全にきちんと効果があらわれるようにするには、薬の用法を守る必要があります。薬によって、飲むタイミングや注意すべき点があります。
また、骨粗しょう症の発病には、食事や運動などの長年の習慣も深く関わっています。そのため、薬物治療とともに食事療法や運動療法も並行して行い、骨強度を高めていくことが重要です。

内服薬

効果の大きいもの

1.ビスフォスネート製剤

これは各メーカーから多種類でています。
ボナロン・フォサマック・アクトネル・ベネット・リカルボン・ボノテオ・ボンビバなど
近年、上記薬剤を長期投与後に、顎骨骨髄炎の副作用が報告されるようになり、長期投与が問題になってきています。薬剤が骨に長くとどまるために、長期使用により大変まれに大腿骨骨折を起こすこともあるので、当院では5年位で投与を一旦中止し、他の薬へのスイッチをするように心がけています。

2.SERM

エビスタ・ビビアントの2製剤があります。
女性ホルモン様作用で閉経後骨粗しょう症の改善に効果があります。

3.新しいビタミンD製剤

エディロール
従来のビタミンD製剤より効果が高く、最近急激に使用量が増えている薬です。

効果の認められているもの

ビタミンD3製剤

最近は筋肉の減少を抑えたり、骨質の改善にも効果があるようにも言われています。
比較的に副作用が少ない薬ですが、腎機能障害のある場合は注意が必要です。まれに腎不全や高カルシウム血症を起こします。

効果の認められないもの

カルシウム

残念ながら、骨粗鬆症の治療薬としては、効果がありません。しかし、カルシウムを摂取しないと骨粗鬆症が進行するので、カルシウム不足の人に対し栄養補助剤として投薬します。
健康食品などで安易ににカルシウムをとりすぎると、結石や腎障害を起こしますので注意が必要です。

注射製剤

1.テリパラチド(フォルテオ・テリボン)

現在、最も効果が強い薬剤です。骨芽細胞に作用して骨を強くします。欠点として、薬価が高く使用できる患者・投与期間に制限があります。骨粗しょう症が強く、圧迫骨折がある患者などが対象になります。

2.プラリア

最近、発売された新しい作用機序の薬剤です。骨吸収を抑える作用が強く、骨粗鬆症の改善作用も強力です。この薬剤にも顎骨骨髄炎の副作用があり、長期投与ができません。

3.ビスフォスフォネート注射製剤(ボンビバ)

現在の骨粗鬆症の主役はビスフォスフォネートですが、経口剤では消化器副作用がでたり、効果が弱い人もいます。そのような人に対して月一度の静脈注射による投与ができるようになりました。

4.エルシトニン

週1回注射で、腰痛を抑える作用があります。

骨粗しょう症と寿命

最近注目されている話題として、骨粗しょう症と寿命の相関関係があります。生命予後と疾患との関係は、いろいろと調べられています。明らかになっている例として、高脂血症・糖尿病などは生命予後と関係しています。喫煙・過度の肥満なども関係しています。そのため、さまざまな治療や禁煙・メタボ予防などが推奨されています。骨粗しょう症が強い人は動脈硬化が強く、生命予後とも強い相関関係があります。骨粗しょう症は単に、骨折を起こしやすいというだけではなく、寿命とも関係しているのです。

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