肩の痛み

当院では、肩関節疾患の治療を積極的に行っています。
肩関節の痛みにもいろいろな原因がありますが、ここでは、日常よくみかける疾患を説明いたします。
1.上腕二頭筋長頭腱炎
肩前方に痛み圧痛があり、肩の運動時の痛みがありますが、挙上可能です。注射治療で痛みは軽減します。

2.肩腱板損傷
腕を挙上する時、90度前後で痛みが強く、それより上では痛みが軽減します。腱板が完全に断裂すると、腕を挙上する力がなくなり
完全に挙上できなくなります。加齢とともに断裂している人が増えていきます。80歳以上で洗濯物干すのが困難な場合には断裂の可能性が高いです。
腱板断裂はヒアルロン酸の注射で症状改善することが多いですが、中には手術を要することもあります。当院では注射やリハビリ治療で改善しない場合、肩関節の専門医に紹介しています。

3.石灰沈着性腱炎(滑液包炎)
肩の腱板や腱周囲に石灰が沈着する病気です。急に肩関節部に激痛が生じた場合には、この疾患の可能性が高いです。夜間痛みで寝れなかったという訴えが多いです。痛みが強いため、なるべく早く痛みを和らげてあげる必要があります。石灰が沈着していても、レントゲンでは、骨と重なり見逃すことも多いです。エコーではレントゲンでわからない石灰がわかります。当院では、まず、エコー観察し石灰部に注射を、鎮痛剤を併用し激痛を早期に軽減するように治療しています。過半数の場合数日で痛みが消失し、通院しなくなりますが、中には難治例もあり、複数回の注射が必要となります。

4.凍結肩(五十肩
凍結肩(frozen shoulder)は五十肩とも言われていますが、五十肩の定義があいまいです。一般には五十前後の肩痛を五十肩と言っていますし、四十前後の肩痛を四十肩と言ったりしています。これは病態を現した正確な病名になっていません。

ここで述べる五十肩は凍結肩(frozen shoulder)のことです。凍結肩(五十肩)は45~60代に多い疾患で、腱板断裂、上腕二頭筋腱炎、外傷など明らかな原因がなく、肩痛が生じ、その後徐々に可動域制限が起きてくる疾患を言います。肩が水平くらいしか挙げれない。後ろに手が回しにくい、それらの運動で肩が痛むという症状です。

多くの病院、開業医では、そういう患者さんに対して、あまり有効な治療を行っていないのが実情です。というのは、今まで凍結肩を治療する有効な方法がなく、放置しておいても、痛みは徐々に治まり、運動制限もやがては治ることが多いからです。

しかし、統計的には強い運動制限のある場合、半数は1年以上治らず、4分の1の人は2年以上運動制限と疼痛が持続します。患者さんもある程度あきらめていることが多いようですが、不眠を伴う強い痛みが何ヶ月も持続することも多く、早く治る方が良いのに決まっています。

凍結肩の状態では、無理に肩を動かそうとしても、激痛のため、運動範囲は簡単には良くなりませんし、悪化することもよくあります。通常、整形外科では、リハビリ治療が行われますが、電気であたためて、滑車運動を根気よく繰り返しても、自然経過とあまり変わらないというのが実情です。

凍結肩(五十肩)の当院での治療
当院では、積極的に凍結肩の治療をしています。関節内にケナコルトという長時間作用ステロイドを注入し関節内の炎症を抑えることにより痛みが軽減します。それによりリハビリがしやすくなり、動きも改善されやすくなります。注射はエコーを見ながら行い確実に関節内に注入するようにしています。(なお、糖尿病や緑内障などステロイド使用が制限される人には実施できません。)

その後に、理学療法士がリハビリ治療を行い、多くの患者は徐々に肩の可動域が改善され、痛みも軽減します。

それでも肩の動きが良くならない頑固な凍結肩には、当院では、エコーを使用して神経ブロックを行い、完全に除痛した後に動かなくなった肩を動かします。マニュプレーションといわれている方法です。この方法は文献上も、いくつも報告があり、有効性と安全性が証明されています。最近は、ほとんどがリハビリテーションで改善しています。
(骨粗鬆症がある高齢の方には骨折の危険がありますので実施できません。)

5、その他、変形性肩関節症、神経圧迫による肩痛など、肩痛の原因は多岐にわたります。
できるだけ正確な診断をするため、エコー検査や必要によりMRI検査をします。また、注射をすることにより、診断にも役立てています。
肩関節は構造が複雑なために、エコーを使用しない注射では、注射液が意図したところに行かず、効果に乏しく、しかも痛いだけということも時にありましたが、エコーを使用することによりこのようなことが少なくなったことは、治療する側にとってもうれしいことです。

インターネット情報について

インターネットで検索すると実に様々なサイトが出てきます。しかしながら、なかなか正確な情報にたどりつけないのが実情です。特に最近は、広告誘導型のサイトがほとんどで残念です。誤った誘導にかからないことが大切です。

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